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         「過去と現実」
             里子T

 私は今の里親のAさん宅に来て5年。ここに来た当時まだまだ未熟な感じで素直じゃないし、かわいくないし、挙句の果てには言い訳ばかり。めちゃくちゃな性格だった。素直じゃないとこが一番の欠点だった。何か言われたら言い返し、売り言葉に買い言葉。だからすごくおじちゃん、おばちゃんにも怒られたし、注意された。
 それでも前はいちいち言われると、何で私ばっかり怒られるかとか、何でそんな事で怒るのとか、反省の色はまったく無かった。むしろ怒られたり、注意されている意味も全然分からなかった。

 だけど2年ぐらいたって、少しずつ変化が出てくるようになった。私が中2になった時反省したりして、自分の心の中で自分自身を見つめ直すことを努力するようになった。
 今までは自分の考え方が悪いんだ、いけないんだって事がわからなかった。それが少しずつ分かるようになってきたようだ。中3になったときにはすごくがんばって直し始めた。その間に少しだけど、空気が読めるようになって、いつのまにか人を助けてあげたい、自分だちより辛い人はたくさんいると考えるようになって、周りの子の相談にのってあげたりした。その子に同情しすぎて一緒に流さわてしまいがちなとこも出てしまった。それからはその人に流されて自分まで生活リズムを崩さないように気をつけている。

 私は4月から高校生になった。A高校に行くか?と言われたけど、どうしても家から離れたくないし、もしA高に行ったら自分の存在がなくなる気がして嫌いだった。だから、地元のB高校に入学した。今では前の自分と比べて成長した自分になってきていると感じている。
 でも、やっぱりまだ少し素直じゃないから、ここを旅立つ時には、「ここに来た時て成長するまではこんな感じだったけど、今はよい子に育ってるね」「これでもう大人になっても困ることはないよね」って、言われるように頑張りたいと思っている。
 最後に喜怒哀楽のあるよい生活をしていきたいです。
 これからは過去の自分を捨てて現実に旅立つために。

 
(編集上、原文を一部修正しております。管理人)